卵管の通りを良くするには?

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妊娠を希望される方にとっては、何からトライしたら良いのだろうと思い悩むかもしれません。不妊の原因のひとつに卵管の通りにくさがあります。卵管の通りが妨げられると妊娠に影響がでます。ここでは卵管障害の原因や、影響、検査や卵管の通りを良くする治療法について解説します。ぜひ妊娠を望まれる方は、本文をお読みください。

卵管の役割とは?

卵管は、女性の生殖器の一部であり、妊娠において非常に重要な役割を果たします。卵管の役割は、卵子と精子の出会いの場所です。排卵が起きると、卵子は卵管の中を移動し、受精を待ちます。一方、精子は性行為によって子宮内に入り、卵管で卵子と出会い、この出会いを受精といいます。

卵管は、受精卵が育ちながら子宮へ運ばれる通り道です。着床は子宮で起こります。卵管はまた、受精卵が正常に移動し、子宮内に適切なタイミングで到達するための環境を提供します。そのため、卵管は妊娠のために欠かせない存在です。

卵管障害とは何ですか?

卵管障害は、卵管の機能や構造に何らかの異常がある状態です。これには、卵管の閉塞(通りが塞がれること)、狭窄(通りが狭くなること)、異常な形状や損傷、炎症などが含まれます。卵管障害があると、卵子と精子が適切に出会えず、受精や着床が困難になる可能性があります。また、卵管内で受精卵が移動できないため、体外受精が必要になる場合もあります。適切な治療方法を見つけるためには婦人科専門医への相談が大切です。

卵管の通りを良くするには?

卵管の通りを妨げる原因とは?

不妊治療を受けている方を対象にした調査(日本受精着床学会・2003年)では、不妊の原因のうち卵管によるものは約20%と報告されています(出典:日本産婦人科医会「不妊の原因と検査」)。卵管の通りを妨げる原因は多岐にわたり、一般的な原因として、卵管の炎症や感染症(性感染症など)、手術や外傷による組織の損傷、子宮内膜症の影響などがあります。また、卵管内に粘り気のある液体(卵管内液)がたまることで通りが阻害されるのも、妊娠率が低下する要因のひとつです。専門医による検査や診断を受け、具体的な原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。

引用)日本産婦人科医会 不妊の原因と検査 

卵管の通りが妊娠にどう影響するの?

卵管の通りが妊娠に与える影響は重大です。卵管は卵子と精子の出会いの場所であり、受精が起こる重要な経路です。通りにくいまたは閉塞した卵管では、受精が困難になります。受精が成功しない場合、受精卵は子宮に到達できず、着床ができません。

また、卵管の通りが不全な場合、受精卵が正常に移動できず、異所性妊娠(子宮外妊娠)のリスクが高まります。卵管の通りが妨げられると、自然妊娠の可能性が低下します。適切な治療や医療介入が必要となる場合もあります。妊娠を希望する場合は、卵管の通りの状態を確認し、必要な治療を受けることが重要です。

卵管の通りを良くするには?

卵管の通りの状態を知るには?

卵管の通りの状態を知るには、いくつかの検査方法があります。一般的な検査は卵管造影検査です。この検査について詳しく解説します。

卵管造影検査の方法

卵管造影検査は、卵管の通りや異常を観察するための検査方法です。以下に概要を説明します。

  • 検査の準備: 検査の前に、医師との事前相談や詳細な説明を受けます。通常、検査時期は、月経が終わった時から約10日目に設定されます。食事や薬物の制限など、特別な準備が必要な場合もあるので注意しましょう。
  • 検査の実施: 検査は油性もしくは水性の特殊な造影剤を使用します。油性はネバネバしているので、よく造影箇所を見ることが可能ですが、造影剤が残りやすい点がデメリットです。水性は吸収が早く、数時間で造影が可能ですが、はっきりと見れず医師の診断が難しい点があります。医師とよく相談して検査を進めましょう。まず、医師が子宮頸部に専用のカテーテルを挿入、次に、造影剤をゆっくりと注入し、卵管内に流れ込ませます。同時にX線や超音波などの画像検査を行い、造影剤の流れや卵管の形状を観察します。
  • 検査の結果: 検査後、医師は得られた画像を評価し、卵管の通りや閉塞、異常な形状などを判断します。結果に基づいて、適切な治療方法や対処法を提案するので不明な点はよく話し合って決定しましょう。
  • 注意事項とリスク:卵管造影検査は多くの場合は大きな問題なく行われますが、まれにアレルギー反応や感染症のリスクがあります。検査前に医師に過去のアレルギー歴や妊娠の可能性などを伝えることが重要です。

不妊治療での卵管の通りの改善方法とは?

造影検査において、卵管の閉塞や狭窄が判明した場合、不妊治療において卵管の通りを改善する方法として代表的なものは、卵管鏡下卵管形成術(FT)です。

手術の方法は、麻酔後、子宮の中にカテーテルを挿入、バルーンの管を通し卵管の閉塞や狭窄している部分を、広げます。これによって卵管の通りが改善され、受精卵の通過が容易になることが期待されます。手術後に自然妊娠された方の割合は、国内の報告で約25〜30%とされています(出典:Nakagawaら, J Obstet Gynaecol Res 2024/末岡, 日本産科婦人科学会雑誌 2009)。当院の成績ではありません。卵管の状態や年齢によって異なり、体外受精との順序は医師が個別に判断します。術後、自然妊娠が難しい場合は、体外受精へと進むことが多いですが医師とよく相談して決めましょう。また、卵管の先端が完全に閉じている場合は、腹腔鏡手術となります

引用)福井大学医学部附属病院高度生殖医療センター 卵管鏡下卵管形成術について

卵管の詰まりは、検査で確かめることができます

卵管が詰まっているかどうかは、ご自身の感覚では分かりません。検査で詰まりや狭まりが確認された場合には、卵管を直接広げる治療(FT=卵管鏡下卵管形成術)が選択肢になることがあります。健康保険が適用される手術です(適応の判断によります)。当院では、静脈麻酔を用いた日帰り手術として行っています。ただし、卵管の状態によっては適応とならないこともあり、手術に伴うリスクもあります。

まずは卵管の状態を検査で確認するところから、医師にご相談ください。

→ 当院の診療案内:卵管外来(FT外来)について

卵管の手術を受けるべきタイミングとは?

卵管の手術を受けるべきタイミングは、個人の状況と医師の判断によって異なりますが、以下のような一般的な考慮事項があります。

  • 卵管の状態: 卵管が閉塞や狭窄しており、その影響で不妊が続いている場合、手術の検討が必要です。卵管造影検査や超音波検査などによって、卵管の通りや形態を評価し、手術の必要性を判断することになるでしょう。
  • 他の不妊治療の効果: 不妊治療として体外受精(IVF)などの方法が試みられている場合、卵管の手術はその前後に行われることがあります。
  • 年齢と妊娠の希望: 年齢が進行している場合や妊娠を急いでいる場合、手術のタイミングを早めにすることもあるでしょう。卵管の手術には回復期間もあるため、妊娠を希望している時期に合わせて手術計画が立てられます。

いずれも専門医との十分な相談の上、個別の状況に合わせた最適な判断を行うことが大切です。

卵管の通りを良くするには?

卵管手術のリスクとメリットとは?

卵管手術にはリスクとメリットが存在します。

リスクについて

  • 手術に伴う合併症: 卵管手術は多くの場合は大きな問題なく行われますが、まれに感染、出血、損傷などの合併症が発生する可能性があります。
  • 麻酔の影響: 手術には麻酔が必要です。麻酔によるアレルギー反応や合併症が起こることがまれにあります。
  • 再狭窄や再閉塞: 卵管手術後、卵管が再び狭窄や閉塞することがあります。手術が効果的であった場合でも、再発のリスクがあることを覚えておきましょう。

一方、卵管手術には以下のようなメリットがあります。

  • 卵管の通りの改善が期待できる場合がある: 卵管の通りが改善することで、自然に妊娠される方もいらっしゃいます。ただし、卵管以外の要因もあるため、手術で必ず妊娠に至るわけではありません。体外受精を含め、どの方法が適しているかは検査の結果と年齢によって異なります。
  • 卵管手術のリスクとメリットは個人の状況によって異なります。専門医との相談を通じて、自身の状態とリスクを十分に理解し、適切な判断を行いましょう。

卵管の通りを良くするその他の方法とは?

卵管の通りをよくする、他の方法にも様々あります。代表的な方法を解説します。

  • 漢方:体質や症状に応じて漢方薬が用いられることがあります。ただし、漢方薬に卵管の通りを改善する効果が承認されているわけではありません。漢方薬は体質によって合う・合わないがあるため、自己判断で使わず、不妊治療を担当する医師または薬剤師にご相談ください。
  • ツボ・マッサージ:体を温める、血行を整えるといった目的で、鍼灸やマッサージを取り入れる方もいらっしゃいます。ただし、卵管の通りそのものを改善する方法として確立されたものではありません。無理のない範囲で体を休める時間を持つことは、妊活を続けるうえで大切です。
  • 食事:食事で卵管の通りが変わるわけではありませんが、妊娠を望む時期の体づくりとして、栄養のバランスがとれた食事はすすめられています。
  1. 新鮮な果物と野菜: ブルーベリーやイチゴ、オレンジ、キウイなどの色鮮やかな果物や、ホウレンソウ、ケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜は、抗酸化物質やビタミンを豊富に含みます。
  2. 良質なたんぱく質: 鶏胸肉、魚(サーモンやマグロ)、大豆製品(豆腐や納豆)、ヨーグルトなどの良質なたんぱく質を摂取しましょう。
  3. 亜鉛: 牡蠣、赤身の肉、豆類、ナッツなどには亜鉛が多く含まれています。特定の食品や成分をとることで妊娠しやすくなる、と言えるだけの根拠はありません。
  4. 適切な脂肪: オリーブオイル、アボカド、ナッツ類(アーモンドやくるみ)、チアシードなどの健康な脂肪を摂取しましょう。

専門家より

助産師 中友里恵
助産師:
中 友理恵

赤ちゃんを望むけれど、なかなか授からない方にとって、卵管の通りを改善することは希望を抱く一歩となります。卵管の通りは外見では分からないので、医師との相談や適切な検査を受けることが不可欠です。しっかり相談し、治療を進めていきましょう。卵管手術や不妊治療の選択と共に、生活習慣や食事の見直し、適度な運動やストレス対応も大切です。

そして、この道のりは一人ではなく、専門家のサポートと共に歩んでいくものです。信頼できる医師や不妊治療の専門家との協力を通じて、大切な赤ちゃんを迎える一歩を踏み出しましょう。不妊に悩む方が心と体の健康を取り戻し、可愛い赤ちゃんを授かる未来に近づくことを願っています。

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