FT(卵管鏡下卵管形成術)手術当日の流れ|持ち物・麻酔・帰宅までを解説

「FTを受けることが決まったけれど、当日はどんな流れなの?」「何を持っていけばいい?」「麻酔で眠るの?痛みはある?」「終わったらすぐに帰れる?」——手術が決まると、不安よりも当日の流れへの疑問が増えてくるものです。

この記事では、FT(卵管鏡下卵管形成術)手術当日の流れについて、来院から帰宅まで時系列でわかりやすく解説します。

この記事でわかること:

  • FT手術当日の流れ(来院〜帰宅まで)が時系列でわかります
  • 持ち物・服装・食事制限など事前準備がわかります
  • 麻酔の種類と手術中の感覚がわかります
  • 術後の安静時間・帰宅の条件がわかります
  • 手術当日に気をつけるべき注意事項がわかります

FT手術当日の全体スケジュール

FTは日帰り手術のため、当日の来院から帰宅まで概ね2〜4時間程度が目安です。ただしクリニックの方針・麻酔の種類・術後の回復状況によって前後する場合があります。

【当日の全体スケジュール(目安)】

来院・受付(午前中の場合が多い)
 ↓ 約15〜30分
術前確認・着替え・問診
 ↓ 約10〜20分
点滴・麻酔の準備
 ↓ 約5〜10分
手術(15~30分)
 ↓
術後安静・回復(60~120分)
 ↓
状態確認・医師からの説明
 ↓
会計・帰宅

手術時間そのものは15~30分程度ですが、術後の安静・回復時間を含めると来院から帰宅まで合計2〜4時間程度かかることが多いとされています。

FT(卵管鏡下卵管形成術)手術当日の流れ|持ち物・麻酔・帰宅までを解説

手術前日・当日の準備

手術前日に準備すること

手術前日は以下の準備を行っておくと当日がスムーズです。

準備項目内容
持ち物の確認下記の持ち物リストをチェック
服装の準備脱ぎ着しやすい服装を用意する
付き添いの確認静脈麻酔の場合は付き添いの方と来院することを推奨
翌日のスケジュール確認術後翌日は安静を心がける
処方薬の確認術前に処方された鎮痛剤・抗生剤がある場合は服用タイミングを確認
スマートフォンの充電術後の安静時間中に使用できるよう準備

当日の持ち物チェックリスト

必須持ち物
健康保険証・マイナ保険証
診察券
現金またはクレジットカード(費用の支払い)
生理用ナプキン(術後に少量の出血・造影剤流出がある場合)
処方された薬(術前服用の鎮痛剤など)
あると便利持ち物
🔵飲み物(術後の安静中に飲める水・お茶)
🔵軽食(術後に気分が落ち着いたら摂取できるもの)
🔵読み物・スマートフォン(安静中の時間つぶし)
🔵カーディガン・ブランケット(安静中に体が冷える場合)
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服装について

FTは内診台で処置を行うため、以下の服装が適しています。

  • ワンピース・スカート:脱ぎ着がスムーズで処置がしやすいです
  • ゆったりしたズボン:処置後に着替えやすいものを
  • ヒールのある靴は避ける:術後にふらつく場合があるため、フラットシューズを推奨
  • 貴重品・アクセサリーは最小限に

食事・飲み物の制限

食事制限についてはクリニックの指示を最優先にしてください。静脈麻酔の使用有無によって異なります。

麻酔の種類食事制限
局所麻酔のみ通常、食事制限なし(クリニックに確認)
静脈麻酔を使用する場合手術数時間前から飲食禁止となる場合があります(クリニックの指示に従う)

来院から手術開始まで

受付・問診

来院後は受付を済ませ、問診票への記入を行います。問診では以下の内容を確認します。

  • アレルギーの有無(薬剤・造影剤・金属など)
  • 服用中の薬(血液をサラサラにする薬・鎮痛剤など)
  • 最終月経日・妊娠の可能性の有無
  • 体調(発熱・体調不良がないか)
  • 前回受診時からの変化

体調不良・発熱がある場合は必ず受付時に申し出てください。 感染症がある状態でのFTは合併症リスクが高まるため、手術を延期する場合があります。

着替え・術前準備

問診後は更衣室で手術用の検査着または下着のみに着替えます。その後、点滴ライン(静脈路)の確保を行い、静脈麻酔の準備をします。

静脈麻酔を使用する場合は、手術室への入室前に麻酔薬の投与を開始します。麻酔薬の投与後、短時間で眠ったような状態になることが多いです。使用される薬剤は覚醒が非常に速いタイプのものが多く、処置終了後は短時間で意識が戻ります。

手術(処置)の流れ

内診台への移動・体位の確認

手術室または処置室の内診台に移動します。両足をスターラップ(足置き台)に乗せた体位(砕石位)をとります。

麻酔の投与

麻酔の種類方法意識所要時間
局所麻酔子宮頸管周囲に麻酔薬を注射あり(会話可能)数分
静脈麻酔点滴から麻酔薬を投与なし(眠った状態)数分で入眠
局所麻酔+静脈麻酔の併用両方を組み合わせて使用なし(眠った状態)多くの施設で採用

静脈麻酔を使用する場合は、手術中の記憶はほとんどありません。麻酔から覚めると処置が終わっている状態になります。

手術の手順(処置時間:15〜30分)

① 子宮頸管にカテーテルを挿入
 (子宮頸管把持鉗子で固定する場合があります)

② 卵管口(子宮と卵管の接続部)を確認

③ 卵管カテーテル(直径約1mm)を卵管内に挿入

④ バルーンを閉塞・狭窄部位まで進める

⑤ バルーンを膨らませて閉塞部位を拡張する

⑥ 卵管鏡(内視鏡)で卵管内腔を直接観察・確認

⑦ カテーテルを抜去
 (片側完了後、反対側も同様に実施)

FTカテーテルは直径約1mmという極細のものを使用し、卵管鏡(内視鏡)で内部を直接確認しながら処置を行います。

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手術中に感じること

静脈麻酔を使用している場合は処置中の不快感や痛みは軽減されることが多いとされています。。局所麻酔のみの場合は、以下のような感覚を感じることがあります。個人差が非常に大きいです。

  • 下腹部の圧迫感・鈍痛
  • 生理痛に似た違和感
  • 卵管に造影剤・カテーテルが進む際の軽い痛み

痛みが強い場合は遠慮なくスタッフに声をかけてください。 麻酔の追加投与や処置速度の調整が可能な場合があります。

卵管が開通しなかった場合

卵管の狭窄・閉塞の程度によっては、FTカテーテルが通過できず開通しない場合があります。その場合は処置を中止し、担当医から結果と今後の方針について説明があります。FTで開通しなかった場合も費用は発生します。

術後の安静・回復・帰宅

術後安静の目安(60〜120分)

手術終了後はリカバリールーム(回復室)またはベッドで横になって安静にします。

時間の目安状態の確認内容
術後15〜30分麻酔からの覚醒・意識の確認
術後30〜60分血圧・脈拍・酸素飽和度の確認
術後60〜120分立位・歩行の確認・気分不良がないかを確認
帰宅前医師から術後の注意事項の説明・処方薬の受け取り

帰宅できる条件

以下の条件が確認できれば帰宅が可能です。

  • 意識が完全に回復している
  • 血圧・脈拍・酸素飽和度が正常範囲内
  • 立位・歩行が安定している
  • 気分不良・強い腹痛・異常出血がない
  • 担当医から帰宅の許可が出ている

当日の帰宅に関する重要な注意事項

✅ 静脈麻酔を使用した場合:当日の車・バイク・自転車の運転は禁止です。

麻酔薬の影響が完全に消えるまでに時間がかかるため、判断力・反応速度が低下している場合があります。タクシー・電車・バスなどの公共交通機関を利用してください。

【帰宅方法の推奨優先順位】
① 付き添いの方の車で送ってもらう(最も推奨)
② タクシーを利用する
③ 電車・バスなどの公共交通機関を利用する
❌ 自分で車・バイク・自転車を運転しない
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術後当日〜翌日の過ごし方

術後当日の注意事項

項目内容
安静帰宅後はできる限り安静にする
入浴シャワーは出血・痛みが落ち着いていれば翌日から可能な場合が多い(クリニックに確認)
食事消化の良いものから少量ずつ摂取する
飲酒飲酒は控えるよう指導されることがある
服薬処方された抗生剤・鎮痛剤を指示通りに服用する
運動激しい運動・重いものを持つことは控える
車の運転当日は運転禁止のクリニックがほとんど

術後に出やすい症状と正常な経過

以下は術後によく見られる症状です。多くは数日以内に落ち着くとされています。

症状正常な経過の目安
下腹部の鈍痛・違和感数時間〜数日で軽快することが多いです(個人差があります)
少量の出血・おりもの増加数日〜1週間程度で治まることが多いです(個人差があります)
軽い倦怠感・疲労感翌日には回復することが多いです(個人差があります)
微熱(37度台)微熱が出ることがありますが、38度以上の発熱や発熱が続く場合は受診してください。

すぐに受診が必要な症状

以下の症状が現れた場合は、自己判断せず速やかに担当クリニックへ連絡・受診してください。

症状考えられる状態
38度以上の発熱が続く骨盤内感染などの可能性
強い腹痛・腰痛の悪化感染・内出血の疑い
出血量の増加・鮮血が続く術後合併症の疑い
異常なおりもの(悪臭・膿様)感染の疑い
腹部の張り・膨満感の悪化内出血・感染の疑い

術後の服薬について

処方される薬の種類

FT後には通常、以下の薬が処方されます。

薬の種類目的服用期間の目安
抗生剤術後感染の予防数日〜1週間程度(クリニックの指示に従う)
鎮痛剤術後の痛みの緩和痛みがあるときに服用(頓服)

服薬の注意事項

  • 抗生剤は症状が改善しても自己判断で中止しないでください。処方された分を最後まで服用してください
  • 服薬中の飲酒は控えてください
  • 他の薬を服用している場合は担当医に必ず伝えてください
  • 薬のアレルギー反応(発疹・かゆみ・呼吸困難など)が出た場合はすぐに担当クリニックに連絡してください

仕事・日常生活への復帰

仕事の再開時期の目安

仕事の種類再開の目安
デスクワーク・在宅業務翌日から再開できる方もいますが、体調に応じて無理のない範囲で調整してください。
立ち仕事・軽い接客術後2〜3日を目安に様子を見ながら再開
体力を使う業務・重労働術後1週間程度は控えることを推奨(担当医に確認)

職場の上司や同僚への伝え方については、プライバシーの観点から「婦人科の日帰り手術」「婦人科の処置」などの伝え方で問題ありません。

妊活の再開時期

術後の妊活(タイミング法・AIH)は術後翌周期から再開できる方が多いとされています。

術後翌周期〜
 タイミング法・AIHを積極的に実施

術後3〜6ヶ月
 最も妊娠しやすい時期という報告があります

術後6ヶ月経過しても妊娠しない場合
 再FTまたは体外受精へのステップアップを検討

※FT後は卵管の通過性が改善しても、
卵管機能が完全に正常化するとは限りません。
異所性妊娠(子宮外妊娠)のリスクが高くなる場合があるため、
妊娠判定後は早めの受診が推奨されます。
FT(卵管鏡下卵管形成術)手術当日の流れ|持ち物・麻酔・帰宅までを解説

よくある質問(FAQ)

Q. 手術当日は一人で来院してもよいですか?

A. 局所麻酔のみの場合は一人での来院が可能なクリニックが多いとされています。静脈麻酔を使用する場合は、術後の状態によっては付き添いの方との来院を推奨しているクリニックがほとんどです。事前にクリニックに確認してください。

Q. 手術中は意識がありますか?

A. 麻酔の種類によって異なります。局所麻酔のみの場合は意識があります。静脈麻酔を使用する場合は一時的に眠った状態になり、処置中の記憶はほとんどありません。静脈麻酔に使用される薬剤は覚醒が非常に速いタイプのものが多く、処置終了後は短時間で意識が戻ります。

Q. 手術後、どのくらいで帰宅できますか?

A. 術後1〜2時間程度の安静・回復時間を経て帰宅できる方が多いとされています。静脈麻酔を使用した場合は麻酔が完全に覚めてから状態を確認したうえで帰宅となります。

Q. 手術当日、食事はいつから食べられますか?

A. 局所麻酔のみの場合は帰宅後すぐに食事をとっていただける場合がほとんどです。静脈麻酔を使用した場合は、気分が落ち着いてから少量ずつ軽めのものから摂取することをおすすめします。担当医・スタッフの指示に従ってください。

Q. 手術は痛いですか?我慢できますか?

A. 静脈麻酔を使用する場合は処置中の痛みはほとんど感じないことが多いとされています。局所麻酔のみの場合は生理痛に似た鈍痛・違和感を感じる方が多いとされています。痛みが強い場合はスタッフに声をかけていただければ対応が可能です。

Q. 月経中でも手術を受けられますか?

A. 月経中のFTは原則として行いません。月経終了後から排卵前(月経周期7〜12日目頃)が手術の実施時期です。万が一手術当日に月経が始まった場合は、受付時に申し出てください。

Q. 手術前日に生理が来てしまいました。どうすればいいですか?

A. 受付時または術前確認時に必ず担当スタッフに申し出てください。出血量や状態によっては手術日を変更する場合があります。自己判断で手術を進めないようにしてください。

まとめ:当日の準備チェックリスト

確認事項内容
所要時間来院から帰宅まで2〜4時間程度
持ち物保険証・診察券・ナプキン・費用
服装脱ぎ着しやすい服装・フラットシューズ
食事制限クリニックの指示に従う(麻酔の種類による)
付き添い静脈麻酔の場合は推奨(クリニックに確認)
車の運転静脈麻酔使用の場合は当日禁止
術後服薬処方された抗生剤・鎮痛剤を指示通りに服用
仕事復帰デスクワークは翌日から可能な方が多いです(個人差あり)
妊活再開担当医と相談

参考)

※本記事の情報は一般的な医学知識に基づいており、個々の症状・治療方針については必ず担当医にご相談ください。 ※手術の流れ・費用・服薬内容はクリニックによって異なります。受診先に事前にご確認ください。

助産師からのメッセージ

FTを受けることが決まると、「痛みはあるのかな」「麻酔からちゃんと覚めるかな」「終わったあと普通に帰れるのかな」と、当日のことが急に不安になる方も多いと思います。

手術と聞くと身構えてしまいますが、FTは日帰りで行われることが多く、体への負担をできるだけ少なくして卵管の通過性を回復させる治療です。

当日は緊張していて、説明を聞いても頭に入りにくいことがあります。事前に持ち物や帰宅方法、食事制限、麻酔の有無を確認しておくだけでも、安心感につながります。

また、痛みや不安を我慢する必要はありません。処置中や術後に気になることがあれば、遠慮せず医師や看護師、助産師に伝えてくださいね。

FTはゴールではなく、これからの妊活につながる一歩です。術後は無理をせず、体調を整えながら、担当医と一緒に次の治療方針を考えていきましょう。

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