不妊症とは

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​生殖年齢の男女が妊娠を希望して、夫婦生活を1年間行っているにもかかわらず妊娠できない場合を不妊症と言います。

世界中で何百万人もの生殖可能な年齢の人々のうち、推定によれば世界で4800万組のカップル、1億8600万人が不妊症になっています。

不妊症の原因

現在では、通常のカップルのうち約15%は不妊症といわれています。WHOは、男性にのみ不妊原因があるカップルが24%、女性にのみ不妊原因があるカップルが41%、男女ともに原因があるカップルが24%、原因不明が11%と報告しています。

不妊症は女性に原因があると思われがちですが、女性と男性どちらにも原因があります。

不妊症の原因

女性の原因

女性の不妊症の原因としてあげられるのは主に以下の5つです。

  1. 排卵因子(排卵障害)
  2. 卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)
  3. 子宮因子(一部の子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)
  4. 頸管因子(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常など)
  5. 免疫因子(抗精子抗体など)
女性の原因

①排卵因子(はいらんいんし)(排卵障害)(はいらんしょうがい)

規則的な月経のある女性の場合は、月経の約2週間前に「排卵」が起こります。排卵とともに女性ホルモンの分泌が変化し、その影響で子宮内膜も妊娠への準備をします。妊娠が成立しない場合は子宮内膜は剥がれ落ちて「月経」になります。

しかし、月経不順の女性の場合、月経のような出血があっても排卵を伴わないことがあります。排卵がなければ妊娠は起こりません。排卵が起こらない原因には、甲状腺など女性ホルモンを出す仕組みに影響を与える病気や、極度の肥満または体重減少、男性ホルモンが高くなるホルモンのバランス異常(多嚢胞性卵巣症候群たのうほうせいらんそうしょうこうぐん))などがあり、これらの場合は元となる疾患を治療したり、排卵を起こす治療をしたりします。また、全く月経がない場合、様々なホルモン分泌の異常やまれに早発卵巣不全(早発閉経)という症状があります。基礎体温を記録する卵巣ホルモンの血液検査で排卵しているかどうかがわかります。

②卵管因子(らんかんいんし)(閉塞、狭窄、癒着)(へいそく・きょうさく・ゆちゃく)

卵管は精子が卵子に向かい、受精した卵(胚)が再び子宮に戻るための道です。卵管が炎症などによって詰まっていると、妊娠できません。。卵管炎や骨盤腹膜炎の原因となるクラミジア感染症にかかったことがある方で、ほとんど無症状のうちに卵管が詰まっていることもあります。また、強い月経痛がある女性の場合、子宮内膜症が潜在していることがありますが、この子宮内膜症の病変によって卵管周囲の癒着が起こり、卵管が詰まっている場合もあります。卵管造影検査(らんかんぞうえいけんさ)で卵管の状態を確認します。

卵管因子(らんかんいんし)(閉塞、狭窄、癒着)(へいそく・きょうさく・ゆちゃく)

③子宮因子(一部の子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮の先天的な形態異常などにより、子宮内膜の血流が悪かったり、子宮内に過去の手術や炎症による癒着(ゆちゃく)などがあると、子宮内に到達した胚がくっ付いて育つことを妨げ、妊娠に至りません。
超音波検査や子宮通水検査で子宮の状態を確認します。

④頸管因子(けいかんいんし)(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常など)

子宮頸管は子宮の出口を巾着のように閉めてバリアをしている筒のような部分です。排卵が近づくとその筒の内部を満たす粘液が精子の貫通しやすい状態に変化しますが、この粘液の分泌が少なかったり、精子の貫通に適していなかったりすると、精子は子宮内に侵入しにくくなり、妊娠が起きにくくなるのです。

⑤免疫因子(抗精子抗体(こうせいしこうたい)など)

人間には、細菌やウイルスなどの外敵と闘い、自分を守るための「免疫」という仕組みがあります。異物の侵入を容易に許容しないための大切な仕組みですが、時に「抗体」といわれる免疫の力で精子を攻撃してしまうことがあります。精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管の中で抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が失われ、卵子に到達できず、妊娠が起きません。

免疫因子(抗精子抗体(こうせいしこうたい)など)

男性の原因

男性の不妊症の原因としてあげられるのは主に以下の3つです。


  1. 造精機能障害(ぞうせいきのうしょうがい)・・・射精される精液の中の精子の数が少ない、運動率が低下している

  2. 精路通過障害(せいろつうかしょうがい)・・・精子は作られているものの精子の通り道(精路)のどこかが閉塞しているため精液中に精子がない

  3. 性機能障害(せいきのうしょうがい)・・・勃起ができず挿入できない、勃起はするが射精がうまくいかない

①造精機能障害(ぞうせいきのうしょうがい)

精子の数が少ない、または無い、あるいは精子の運動性などの性状が悪いと、妊娠しにくくなります。精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子の数や運動性が低下します。また、特に原因はなくても精子が作られない場合もあります。

②精路通過障害(せいろつうかしょうがい)

作られた精子がペニスの先端まで通るための道が途中で詰まっていると、射精はできても精子は排出できず、妊娠に至りません。過去の炎症(精巣上体炎)などにより精管が詰まっている場合などがあります。

③性機能障害 (せいきのうしょうがい)

勃起障害(ED)、膣内射精障害など、セックスで射精できないものをいいます。一般的にはストレスや妊娠に向けての精神的なプレッシャーなどが原因と考えられていますが、糖尿病などの病気が原因のこともあります。

原因不明の不妊

原因不明不妊症とは、全ての⼀般不妊検査をしても、明らかな原因究明ができないず(異常がなかった場合)、それでも半年以上タイミングを合わせても妊娠しない場合を指します。

不妊症の原因の多くは、複数の原因が複雑に絡み合っています。年齢により卵子あるいは精子の質の低下などが関係しており、年齢を重ねる毎に妊娠率は徐々に低下していきます。男女とも、加齢により妊娠する・させる力(妊孕性)が低下し、女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は減り、35歳を過ぎると明らかな低下が起きます。加齢により子宮内膜症などの合併が増えること、卵子の質の低下が起こることが妊孕性低下の原因と考えられています。
男性は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こります。

妊娠を望んでいるがなかなか妊娠できない場合は、期間にとらわれず、早めに受診し医師に相談されることをおすすめします。

原因不明の不妊

助産師からのメッセージ

助産師 中友里恵
中 友理恵

不妊症というと病気かと落ち込んでしまう方も多いです。ですが、怪我や病気とは違い治療が不要なこともありますし、不妊症と言われても自然妊娠することもあります。

また、不妊症の原因は男女ともに半々です。女性が健診を受けて問題ないとわかってから男性が検査を受けることが多いですが、妊活を始める時には同時に検査を行っていくことが原因が早く発覚し、次の行動に繋がることができます。

明らかな原因がある場合は、ご夫婦に合った不妊治療の方法もあるので、原因を探しつつ妊活をすすめていくことが良いと感じます。

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