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黄体機能不全でも妊娠

[2023.09.19]

女性の身体は複雑なホルモンバランスとリズムによって支えられています。その中でも重要な役割を果たすのが「黄体機能」です。しかし、中には黄体機能に問題が生じる「黄体機能不全」という状態があります。適切なホルモンの分泌が妨げられ、妊娠に向けた正常な周期が乱れます。黄体機能不全であっても治療をすれば妊娠する可能性はあります。この記事では、黄体機能不全と妊娠について詳しく解説します。

 

黄体機能不全とは?

黄体機能不全とは、黄体の機能が低下することで起こる疾患です。黄体は、排卵後に卵巣で形成される組織で、プロゲステロンというホルモンを分泌しています。プロゲステロンは、子宮内膜を厚くして受精卵の着床を促す働きがあります。そのため、黄体機能不全になると、月経周期が不規則になったり、不正出血が起こったり、妊娠しにくくなったりすることがあります。

黄体機能不全の特徴は?

主に以下のような点が挙げられます。

  • 不規則な月経周期:排卵が適切に行われないため、周期の長さや間隔が不規則になる。
  • 月経量の変化:月経量に変動が見られ、少なくなったり、逆に多くなる。
  • 早発閉経のリスク: 卵巣の機能が低下し、早発閉経のリスクが増加。
  • 不妊や流産の可能性:排卵や着床がスムーズに行われないため、不妊の原因となる。また、妊娠しても流産のリスクが増加する。
  • プロゲステロン不足:プロゲステロンの分泌が不足し、妊娠の成功率が低下する可能性がある。

これらの特徴が見られる場合は、専門医の診断と適切な治療が必要です。黄体機能不全には個人差がありますので、早めの対応が妊娠の可能性を高めるうえで重要となるでしょう。

黄体機能不全の原因とは?

原因は多岐にわたりますが、主な要因として、以下のようなものが挙げられます。

  • ホルモンのバランスの乱れ: 卵巣からのホルモン分泌が適切に行われないことで、黄体の成熟と機能が妨げられる。
  • 卵巣の損傷や異常:卵巣に影響を及ぼす手術、けが、または先天的な問題がある場合、黄体の形成やホルモン分泌に障害が生じることがある。
  • ストレスとライフスタイル:長期間のストレスや不健康な生活習慣は、ホルモンバランスを乱す可能性があり、黄体機能にも影響を及ぼす。
  • 年齢の影響:年齢を重ねるに伴い、卵巣の機能が低下するため、黄体機能不全のリスクが上昇。
  • 特定の疾患や症候群:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺機能障害など、特定の疾患や症候群が黄体機能不全を引き起こす。
黄体機能不全でも妊娠はできる?

黄体機能不全の検査と診断

以下に、黄体機能不全の検査と診断方法を表にまとめます。

方法 詳細
基礎体温チャートの作成 毎朝起床後に体温を測定し、チャートに記録。排卵後の体温上昇が不十分な場合、黄体機能不全の可能性が考えられる。
排卵検査薬の使用 排卵が近づくと尿中のLH(黄体形成ホルモン)レベルが上昇。排卵検査薬を使用して排卵のタイミングを確認する。
ホルモン検査 血液検査により、LHやFSH(卵胞刺激ホルモン)などのホルモンレベルを測定。黄体期のプロゲステロンのレベルも確認する。
子宮内膜検査 子宮内膜の状態を評価するため、子宮内膜組織を採取して検査する場合がある。
超音波検査 卵巣の様子や卵胞の成長、黄体の形成を観察するために超音波検査を行う。
黄体機能不全の検査と診断

正確な診断と適切な治療のためには、専門医による適切な評価が必要です。

黄体機能不全の治療

排卵誘発剤を使用して正常な排卵を促すことが考えられます。また、ホルモン補充療法により、黄体ホルモンの不足を補うことで妊娠の可能性を高めたり、特定のサプリメントや漢方薬を取り入れることで、黄体機能を改善する試みもあります。ただし、治療は個人に合わせた適切なアプローチが必要であり、専門医の指導のもとで行うことが重要です。

黄体機能不全と生理周期

通常、排卵後に形成された黄体は、プロゲステロンというホルモンを分泌して子宮内膜を成熟させ、受精卵が着床しやすい状態を作ります。しかし、黄体機能不全ではプロゲステロンの分泌が不十分なため、子宮内膜が十分に成熟せず、受精卵の着床が難しくなります。その結果、月経周期が不規則になり、月経量が変動する場合もあるでしょう。さらに、排卵が不確定なため、妊娠のタイミングを把握することも難しくなります。

黄体機能不全でも妊娠はできる?

黄体機能不全を改善するには?

黄体機能不全を改善するには、以下の方法もあります。

  • 食べ物:バランスの取れた食事が重要です。特に、ビタミンB群や亜鉛、など含む食品を摂取すると良いでしょう。ナッツ、魚、チーズなどがこれらの栄養素を多く含みます。
  • サプリ:健康な黄体形成とホルモンバランスをサポートするために、ビタミンB6や亜鉛、葉酸を含むサプリメントを検討することがあります。
  • 漢方:漢方薬も黄体機能改善に使用されることがあります。しかし、漢方薬は個人差が大きいため、専門家の処方に従うことが必要です。

これらの方法は補完療法として考えられますが、黄体機能不全の症状には個人差があります。自己判断や無診断でのサプリメントや漢方の使用は避け、専門医の指導を受けるようにしましょう。

ストレス管理とライフスタイルの調整

ストレスはホルモンバランスに影響を与え、排卵や黄体形成に悪影響を及ぼします。リラクゼーション法や規則正しい生活習慣を取り入れ、適度な運動やバランスの取れた食事を心掛けましょう。アルコールや喫煙は避け、体重管理にも注意しましょう。

黄体機能不全でも妊娠はできる?

黄体機能不全でも妊娠することは可能ですが、妊娠のチャンスが低下することがあります。黄体機能不全ではプロゲステロンの分泌が不足し、子宮内膜が十分に成熟せず着床が難しくなるためです。しかし、適切な治療や生活スタイルの改善により黄体機能をサポートすることができます。早めの検査と専門医の指導によって、妊娠を成功させる可能性を高めることが重要です。

黄体機能不全でも妊娠はできる?

妊娠を試みている女性にとっての黄体機能不全の影響

黄体機能不全では、十分なプロゲステロンが分泌されないことがあります。これにより、以下のような影響が考えられます:

影響 詳細
受精卵の着床障害 黄体機能不全により子宮内膜が十分に成熟せず、受精卵が着床しにくくなる。
妊娠成功率の低下 妊娠を維持するためのプロゲステロンが不足するため、流産のリスクが高まる。
不安定な月経周期 不規則な周期や月経量の変動が見られ、妊娠のタイミングを把握するのが難しくなる。
不妊の原因 黄体機能不全によって妊娠が成功しない場合、不妊の要因となる。
黄体機能不全の影響

黄体機能不全を疑う場合は、専門医の検査と診断を受け、適切な治療を行うことが重要です。適切なケアと治療により、妊娠の成功率を高めることができます。

専門家より

助産師 中友里恵

中友里恵

黄体機能不全は、受精卵の着床障害や妊娠成功率の低下などの影響を及ぼします。不安定な月経周期や不妊の原因ともなります。しかし、適切な治療やケアにより黄体機能を改善する可能性があります。ストレス管理や健康的な生活習慣の調整も重要です。早めの検査と専門医の指導と適切なサポートやケアを受けながら、個別の治療プランを立てて、妊娠の成功につながるように希望を持っていきましょう。

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