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前回 28 週で早産歴があり今回二人目 22 週、頸管長 27 mm まで短縮しています。シロッカー術や腟用プロゲステロン坐剤(ウテメリン等)追加は何 mm・週数が適応基準でしょうか?
生殖医療専門医 坂口 健一朗 院長
ご質問ありがとうございます。長文になりますが、ご了承ください。
現在22週なので、予防的頸管縫縮術の適応はないと思います。
予防的頸管縫縮術は妊娠12週以降の出来るだけ早い時期に施行と産科ガイドライン2023では記載されていますが、同ガイドラインには、経過観察するか、予防的頸管縫縮術をするかのどちらの選択をすべきかの高いエビデンスとしての答えは、ないとされています。施設によって予防的頸管縫縮術を施行する場合と、施行しない施設があると思います。
また現在22週と考えると施行するのであれば、治療的頸管縫縮術になると考えます。
予防的頸管縫縮術をせず、経過観察を行った時に、頸管長短縮を認めた場合、治療的頸管縫縮術を考慮することとなります。治療的頸管縫縮術の施行時期に関しての明確な基準はないと思いますので、病院ごとに方針は違います。産科ガイドライン2023では、妊娠24週未満で頸管長25mm未満とするのが、おおよその目安ではないかと記載されています。治療的頸管縫縮術を希望されるのであれば、かかりつけ医とよく、ご相談頂いた上で、治療的頸管縫縮術を施行するのか、ご検討頂ければと思います。基本的に感染、炎症、子宮収縮があると頸管縫縮術の適応外になると思います。こちらも産科ガイドライン2023に記載されています。
黄体ホルモン療法は有効性は示唆されていますが明確な基準はありません(産科ガイドライン2023)ので、かかりつけ医と御相談の上、使用するかどうかをご検討ください。産科ガイドライン2023には、頸管長短縮している方への腟内プロゲステロン療法の早産予防効果が示されてはいるものの、児への長期予後に関してまでの有効性は示されてはいないとされています。ウテメリン(リトドリン塩酸塩)は妊娠16週以降で使用できますが、明確に頸管長何mmになったら使用するという記載は薬剤添付文書には記載されていません。使用開始に関しては、張りの自覚の有無でも変わると思います。リトドリン塩酸塩の持続点滴は48時間を超えての使用は妊娠期間の延長に対しての高いエビデンスはないとされていますが(産科ガイドライン2023)、患者様ごとに方針は違うことが予測され、かかりつけ医と御相談ください。リトドリン塩酸塩の経口投与は長期間の使用が早産率を減らすエビデンスはないとされてます(産科ガイドライン2023)が、こちらも患者様ごとに方針は違うことが予測され、かかりつけ医と御相談ください。
2025.7.10 16:51
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